2023年6月19日
スタッフブログ
止まらない物価高!2023年の経済・物価の見通しを分かりやすく解説。
様々な製品やサービスの価格上昇、物価高騰は2023年に入っても続いています。
現在のところ物価高が落ち着きそうな様相は無く、当面はしばらく続く覚悟が必要です。
今後の経済や物価変動については色々な意見があると思いますが、この回では各方面の情報を総合的に勘案し、今後の見通し予想を試みてみたいと思います。
■企業・家計への物価高の影響

まず現状として、物価高の家計への影響は皆さんご存じのとおりです。
エネルギー価格の高騰によってほぼ全ての製品が値上がりして家計負担が増している他、例えばいつも購入していた消耗品が店頭から消えてしまい、買えなくなってしまったという話も聞きます。
例えば百均などで売られている製品も製造コストに見合わず生産中止となったアイテムが結構あるようですね。
企業サイドとしてもこれまでと同費用で同じ製品を作れなくなったため、特定の製品製造から手を引くなどしており、消費者もダイレクトに変化を感じ取っています。
企業としては特に電気料金の上昇に悩むところが多く、政府もテコ入れをしているとはいえ十分な救済効果を得られていません。
■今後の物価高はどう推移する?

では今後の物価高はどのように推移するのでしょうか。
2023年も食料品などの値上げは続く予想で、電力に関しても値上げが検討されています。
ガソリン方面への補助金は今後段階的に減らされる方針であることから物価に関しては高止まりを予想する声があります。
輸入物価方面についてはピークアウトがみられるとの声もあり、今後はもしかしたら物価高が落ち着いてくるかもしれません。
個別企業においては、国民の理解が得られると判断した企業から少しずつ製品やサービスへの価格転嫁が進んでいますが、利益を確保できるように今後も慎重な判断が必要になるでしょう。
■景気・経済面はどうか?

欧米と比べてコロナ禍からの回復は日本は遅れ気味という指摘があります。
肌感覚としては行動規制が撤廃されて以降、急激に経済の活気を取り戻してきている印象がありますが、数字的には2019年の実質GDPの水準まで回復しきれていません。
海外の経済情勢に左右される面が強いところ、輸出方面は力強い回復はあまり望めない予想です。
ただし、国内の需要はたしかに回復を見せているのが実感できます。
これまで色々と我慢してきた国民が内需拡大に大いに貢献してくれる期待が持てるので、こちらに期待したいところです。
同時に海外からのインバウンド需要にも期待がかかります。
これらが期待通りに行けば経済は回復方面に向かうでしょう。
■海外リスク要因は頭が痛い

日本はエネルギーを海外に強く依存する立場ですからウィークポイントになります。
安定的にエネルギーを購入し続けられていた時代は問題なかったとしても、現在の海外情勢は日本にとって非常に不利であり、見通しもきかなくなっています。
ロシア、ウクライナ紛争は終結の見通しが立ちませんし、ロシア経由で購入できていたガスなどのエネルギーの代替調達に政府は苦労しています。
政府としては国際社会と足並みをそろえていきたいところですが、他の友好国は必ずしもエネルギー依存が強い国だけではありません。
立場の違いを踏まえた上で日本の立ち位置をどうとるか、政府にとっては頭が痛いでしょう。
■景気回復のカギを握るペントアップ需要

最後に期待を込めて、今後の日本経済を回復させると思われるペントアップ需要について改めて押さえておきます。
ペントアップ需要とは、景気後退時に控えられていた需要が、景気拡大時に一気に回復することをいいます。
上でも見ましたが、これまで色々と我慢してきた国民は行動制限なし、マスク無しの待ち焦がれた生活をついに手にしたわけで、半ばお祭り気分の様相も見えます。
これに呼応して様々なイベントが開催されたりしていますから、この雰囲気に乗ってお金の流れが活発になってくれることを期待します。
日銀の経済動向分析においてもペントアップ需要への期待がもたれている言及が見えるので、ぜひ期待したいところです。
■まとめ

この回では続く物価高の情勢を押さえつつ、2023年の経済・物価の見通しについて語らせて頂きました。
コロナの情勢が落ち着いたことから、少なくとも去年よりは景気は回復傾向に向かっていると言えますが、海外の紛争由来のリスクはなお心配されます。
ペントアップ需要による景気回復パワーに期待しつつ、今後の様相を見守っていきましょう。