2023年6月8日
ファクタリング
銀行系ファクタリングのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
ファクタリングはすでに資金調達手段として広く認知されるようになり、多くの企業が利用しています。
迅速、確実に必要な資金を用意でき、融資と比べて多くのメリットがあるため、複数社と掛け取引を繰り返す慣行のある日本企業にとって親和性が非常に高い資金調達法です。
一般的に審査において債権譲渡企業の信用状態はそれほど重視されないため、信用面の問題で借り入れが難しい中小、零細事業者でも問題なく利用できるのが利点です。
ファクタリングは弊社のようなファクタリング業者が強みを持ちますが、実は銀行もファクタリングサービスを提供する所があり、こちらは少し様相が異なるのでぜひ違いを知っておいて頂きたいと思います。
この回では銀行系ファクタリングについてメリットやデメリットを解説していきます。
■銀行系ファクタリングとは?

銀行系ファクタリングとは、銀行およびその子会社が提供するファクタリングサービスを指します。
主にはメガバンクなどが提供するものですが、最近は地方銀行もファクタリングを提供するところがあり、またこれらの銀行が出資する子会社の金融機関がファクタリングを行うこともあります。
これらを総合して「銀行系ファクタリング」と呼ばれています。
これに対して弊社のように預金や貸し出し業務を行わず、ファクタリングを専業として行う事業者が提供するものを「独立系ファクタリング」と呼んだりします。
ファクタリングサービスを提供する側として、銀行系と独立系に違いがあるわけですが、これがサービスの内容にも関係してきます。
次の項からは銀行系ファクタリングのメリットやデメリットを見ていきます。
■銀行系ファクタリングのメリット

まずはメリット面から見ていきます。
①安全性が高い
「銀行」のブランドはやはり強く、日本国内では銀行というだけで安心感があります。
海外では銀行のイメージは日本ほど良くありませんが、国内では銀行は誠実な業務を担ってくれる期待が高く、取引相手を貶めるようなことは基本しないので、安心して取引をすることができます。
銀行傘下の子会社でも同じで、もし悪さをすれば親会社にも迷惑がかかりますから、誠実な取り引きをしてもらえる期待が持てます。
ファクタリング業界は残念なことに悪質な業者も一部紛れ込んでいるため、そうしたリスクを避けられるメリットがあります。
②手数料が低め
ケースによって変動が出ますが、銀行系のファクタリングでは手数料が低めに抑えられることが多いのもメリットです。
ただしこのメリットは逆にデメリットの理由にもなり得るので、この点は下のデメリットの項で説明します。
③高額取引が可能
銀行子会社の場合はまた別ですが、銀行本体が提供するファクタリングの場合は数億円単位と高額な取り引きも可能なことがあります。
資金力のある銀行ならではです。
■銀行系ファクタリングのデメリット

一方で銀行系ファクタリングはデメリットも多く、特に中小の事業者にとっては使いづらい面があることも確かです。
①ウィズリコース(償還請求権付)契約となることも
独立系ファクタリング業者は貸金事業者ではないため必ず「ノンリコース」取引となります。
ノンリコースは万が一売掛先が倒産するなどして資金回収ができなくなった場合でも、そのリスクはファクタリング業者が負うので、債権譲渡企業は責任を負わずに済みます。
しかし銀行系ファクタリングは貸金事業者の資格があるため、リコース取引が可能です。
これは銀行側のリスク回避のためのものなので、利用者にとっては不利なものです。
リコース取引となると、万が一売掛先からの資金回収が望めない場合、債権を譲渡した企業がその責任を負わなければなりません。
②審査が厳しく時間がかかる
銀行はリスク管理に非常に慎重になるので審査に時間を要します。
また独立系ファクタリングと違い、売掛先だけではなく債権譲渡企業の赤字状況なども厳しくチェックされるため、審査のハードルは高いものになります。
独立系ファクタリングでは赤字や税金の滞納があっても利用できますが、銀行系ファクタリングでは難色を示されることが多いでしょう。
③WEB取引ができない
独立系ファクタリングは利便性を重視するので、全国どこからでも利用できるようにWEB取引が可能であることがほとんどです。
銀行系の場合、利用者の利便性よりも自社のリスク回避を重視する傾向が強く、WEB取引ができないことが多いです。
対面によるヒアリングを必要とするため、窓口まで出向かなければならないので手間と時間を取られます。
④二社間ファクタリングができない
大きなデメリットとして銀行系は二社間ファクタリングができないことが挙げられます。
特に中小の事業者は信用面への配慮から売掛先に知られることの無い二社間取引を望むことが多くなりますが、銀行は自社のリスク回避を優先するので二社間取引には基本的に応じません。
売掛先の合意の元で進めなければならないので、使いたくても使えないという場合の方が多いでしょう。
上で見たメリットの一つに手数料が安い点を挙げましたが、それは三社間取引によるものだからです。
⑤小口取引は敬遠される
小口取引では銀行側の儲けが少なく手間感が強まるため敬遠される傾向にあります。
ある程度の金額で取引に持ち込まないと門前払いを受けるでしょう。
⑥銀行にデータが残る
銀行系ファクタリングを利用するとその取引データが銀行に残ります。
場合によっては今後の融資などの取引に影響が出る可能性があります。
■まとめ

本章では銀行系ファクタリングのメリットやデメリットを見てきました。
銀行やその子会社が提供するもので、大口の取引が可能などのメリットがある一方、中小の事業者にとっては使いづらい面が多いため、大手企業以外では実際のところあまり利用されることはないようです。
何より二社間取引ができないことは中小事業者にとって大きな問題となるので、使いたくても使えないことの方が多いと思われます。
弊社のような独立系のファクタリング業者ならば自社のリスク回避よりも利用企業の利便性を重視したサービス提供が可能です。
迅速性の面でも銀行とは比較にならないメリットがあるので、資金需要が起きた際にぜひご検討頂ければと思います。