2023年5月8日
会社経営
会社をダメにしてしまう社長はどんな人?11の特徴を詳しく解説
「会社は社長の器以上に大きくならない」というのはまことしやかに言われている格言です。
トップに立つ社長がやり手であれば会社も大きく成長できるけれど、社長に素質がないと会社は成長できないということです。
社長としての素質は本人の根源的な資質に由来する部分もありますが、社長業を続けていく中で人間的に成長し、資質を磨くこともできます。
本章では会社をダメにしてしまう社長の特徴をいくつか見ていきますので、もし思い当たるところがあれば戒めの心をもって改善に取り組んでいきましょう。
■なかなか決断できない

社長の重要な使命は決断することといっていいでしょう。
経営者は日々決まった仕事をする従業員と違い、社内外の諸問題に常に向き合っています。
会社のかじ取りは全て社長が担うので常に判断を迫られます。
決定や決断が遅くなるとライバル他社に先を越されて利益を失うことになりますし、決断できないトップを見て他の経営陣や部下は「この人の下で働いていて大丈夫か?」と不安になります。
貴重な人材が離れていってしまうことにもなりかねないので、必要な決断を下すことはもちろんですが、決断できるという姿勢を周囲に示すことも大切です。
■気分屋でムラがある

迅速に決断することと適当に決めるのは全く違います。
適当な経営方針で進めてしまえば会社が傾き社員が路頭に迷うことになりますし、その日の気分次第で決定方針が変わるようでは安定した経営は不可能です。
自身で思い当たるところがある場合は、周りから信頼を得るためにも一貫した姿勢を見せられるように配慮したいものです。
■遊びに夢中で経営に意識が向いていない
中には遊びに夢中で経営に関心が薄い人もいます。
成功した先代社長の元で甘やかされて育った二世社長に多い、いわゆる「ぼんぼん(坊ちゃん)」というやつですね。
バブル時代には割と多く見かけましたが、最近はあまり見かけません。
もしこのタイプの場合、周囲の経営陣らがしっかりと教育しないと更生が難しいのでかなり手を焼くと思います。
■企業としてのビジョンを持てない

会社全体のビジョンを社長が持てないとその下にいる部下はどっちを向いて良いのか分かりません。
社会全体の中でこの会社がどのような使命を帯びているのか、顧客にどのような利益をもたらし、どういった方針で活動するのかなどを明確に語れないと、会社の勢いは停滞し社員のやる気も起きません。
■公私混同が激しい
会社は自分のモノ、社員も自分のモノという考えを持つ経営者はこの時代にも意外といるもので、このような社長は会社の利益よりも自分の都合を優先します。
特に貢献が見られないのに社長お気に入りの社員を昇進させるなど、自分都合で勝手な行動を取られると社員の心は早々に離れます。
■部下に対する指示が下手
部下に仕事を任せることも社長としての仕事の一つです。
相手が自分の任務や仕事内容を十分に理解している場合は丸投げでも良いのですが、それは社員をしっかり育てた後の話です。
初めは相手がこなす仕事のゴールを示したうえで、そこに導くための適切な指示をしてやる必要があります。
■数字に無関心

経営に関する数字は会社の状態を把握するために重要な指標となります。
経理関連が苦手な社長は多いと思いますが、日常的な経理業務はもちろん担当部門に任せて構いません。
問題はそこから上がってきた数字指標を社長がしっかり認識できているかどうかです。
特にキャッシュ不足は資金ショートに直結して倒産の危険を生じさせますから、担当部門に任せるのではなく、日ごろの現金管理に関しては社長が責任をもって把握するようにしましょう。
資金ショートを避けるにはキャッシュフロー表が重要になるので、担当者に作成させたうえで社長が目を通し、問題ないか確認するようにしてください。
■社員に迎合する
社長と社員の仲が良い会社は上手くいっているところが多いです。
しかしこれは友達のように仲が良い、あるいは同僚社員同士のように仲が良いということではありません。
社長は常に社員の上にたっていなければならず、迎合するような姿勢では組織管理に失敗し、会社が機能しなくなります。
■日常的に残業を課す
かつては長時間残業が社会的に問題になった時があり、労働関連法などの整備を受けて現在はだいぶ改善されたものの、一部にはまた残業文化が深く根付いている会社もあります。
今はもう昔のようなモーレツ社員はいませんから、ワークライフを重視した労働環境を整備しないと社員はついてきません。
■労働環境の改善に応じない

仮に現状で労働環境が良くないとしても、他の経営陣や従業員からの申し出で残業の緩和や有給休暇の積極的な取得などに向けて働きかけをすれば、ほとんどの場合何らかの改善策が見出せるはずです。
しかし社長がそうした雰囲気を壊す態度にでたり、一貫して応じないとなると、状況の改善は見込めません。
迎合する必要はありませんが、社員の働きやすい環境を整えることは会社としても必ずプラスに働くので、一考しましょう。
■ハラスメントを許容する

現代の労働環境においては様々なハラスメントが問題になっています。
社長自身がセクハラやパワハラをするのはもっての他で論外ですが、社内にセクハラやパワハラが存在しているのであれば、社長としてこれを排除する姿勢を持たなければいけません。
社長本人が昔気質でハラスメントを許容する姿勢であったり、仕事ができる社員だからと大目に見ているようだと他の社員からの反発が起きるのは必至です。
対処しなければ社内の雰囲気が確実に悪くなり、企業体としての機能が落ちてしまいます。
経営者の責任としてハラスメントには断固とした姿勢で臨む必要があります。
■まとめ

本章では会社をダメにしてしまう社長の特徴をいくつか挙げて見てきました。
会社組織の中で社長は最も上に立っている立場ですので、やろうと思えば何でもできる力があります。
これを良い方向に生かせれば会社の成長につながりますし、悪い方向に使ってしまうと会社はうまく機能しなくなります。
「良い社長」になるのは大変かもしれませんが、少なくとも今回見てきたような例にはならないよう、参考にして頂ければ幸いです。