2023年8月7日
ファクタリング
ファクタリングにも種類がある!仕組みや注意点も含めお教えします。
ファクタリングは借り入れに代わる事業資金の調達手段として広く活用されています。
ファクタリングは資金調達がメインになるものの、それ以外の目的に利用されることもあるので、この回ではファクタリングを少し広い視点からとらえ、種類や注意点などについて見ていきます。
■目的の違いによる分類

ファクタリングは売掛債権を売却して資金に変える「買取型」が主に用いられますが、それとは別に売掛債権を保証してもらう「保証型」も存在します。
保証型はあまり頻繁に利用されることはありませんが、下の項で簡単に概要を押さえます。
買取型は個別の取引において細分化されるので、まずは買取型の種類から詳しく見ていきます。
■買取型:二社間ファクタリング

売掛債権をファクタリング業者に買い取ってもらう買取型で多く用いられているのが二社間ファクタリングです。
このタイプは売掛債権を譲渡する企業と債権を買い取るファクタリング業者の二社だけが取引当事者となります。
売掛先の企業は取引当事者とならず、契約書への署名押印も必要ありません。
売掛債権を譲渡する企業としては、売掛先にファクタリングの利用を知られることは信用低下につながる恐れがあり、場合によっては売掛先から情報が伝わって資金難の状況が業界全体に知られる恐れもあります。
日本のビジネス慣行において信用低下は大きなリスクになるので、取引先に知られずに進められる二社間ファクタリングは安心して資金調達できる手段となります。
ただしファクタリング業者からすると売掛先の合意がない状態で債権を買い取るわけですので、資金回収のリスクが大きくなるため、手数料の面では下で見る三社間ファクタリングと比べて割高になります。
具体的な手数料額は種々の要因によって変動が出るので都度確認が必要ですが、概ね債権価格の10%~30%程度の手数料となることが多いでしょう。
■買取型:三社間ファクタリング

三社間ファクタリングは売掛先の企業の合意を取り、取引当事者として参加してもらうタイプです。
債権譲渡企業、売掛先企業、ファクタリング業者の三者が取引当事者となり、契約書への署名押印も三社連名でなされます。
このタイプは売掛先企業の合意の下で行われるため、ファクタリング業者からすると資金回収のリスクが低く、ほぼ確実に回収が望めることから手数料の面でかなり融通を利かせることができます。
こちらも個別の取引事案で都度確認が必要ですが、概ね債権価格の2%~9%程度の手数料に落ち着くことが多いでしょう。
債権譲渡企業としては手数料を抑えてお得な資金調達が可能になる反面、売掛先に債権譲渡の事実を知られることになるので、信用低下のリスクが内在することになります。
これから先のことを考えてビジネスに支障が出そうな場合は三社ファクタリングの利用は避け、二社間ファクタリングの利用を検討するのがベターです。
また売掛先に打診してもし断られてしまった場合、三社間ファクタリングを利用できないうえに資金難の事実を知られてしまうということになるのでダブルパンチになります。
反対に、業界や業態などによっては取引相手にファクタリング利用を知られても特に支障がない企業もあると思いますので、そうした場合は三社間ファクタリングがお勧めできます。
■買取型:診療報酬ファクタリング

上で見てきたタイプのファクタリングは一般の商社間における売掛債権を対象にするものです。
診療報酬ファクタリングは病院やクリニックなどの医療機関が対象となります。
医療機関は普段患者さんの診療を行う際に1割~3割程度の自己負担金を直接頂いていると思いますが、残りは診療報酬の支払基金から回収することになります。
支払基金からの回収には約二か月程度の期間を要すため、すぐに手元資金とすることはできません。
見方を変えるとこれは支払基金に対して債権を保持しているということであり、ロジックとしては上で見た一般商社間の売掛債権と変わりません。
支払基金に対して有する診療報酬債権を売却して資金に変えるのが診療報酬ファクタリングです。
ファクタリング業者にとっては売掛先が公的機関であり資金回収のリスクがほとんどないので、手数料を極限まで下げることができます。
診療報酬ファクタリングは弊社でも取り扱いがあり、優良債権としてかなり融通を利かせることができるので、ぜひご相談頂ければと思います。
■買取型:調剤報酬ファクタリング

調剤を行う調剤薬局も同じように患者さんからの自己負担分以外の調剤報酬は支払基金から回収することになり、やはり回収までに二ヶ月程度を要します。
診療報酬ファクタリングと同じロジックで調剤報酬ファクタリングが可能で、こちらも弊社で取り扱いがあります。
調剤薬局の業界では昨今、医薬品の流通が不安定になっているため、医薬品の仕入れ面でかなり苦労されているところがあるようです。
一般的な資金確保事案の他、取引先の急な変更に伴う支払資金の確保などにおいてもファクタリングは有効ですので、ぜひご検討頂ければと思います。
■買取型:介護報酬ファクタリング

診療報酬、調剤報酬と並んで人気があるのが介護報酬のファクタリングです。
こちらも介護サービス利用者から頂く自己負担分以外は、介護報酬の支払基金から回収しなければならず、やはり二か月程度の期間を要します。
介護報酬についても同じロジックでファクタリングができ、弊社で取り扱っております。
介護事業者は調剤薬局などと比べると日常で様々な方面で支出が多く出るため、一般商社と同じくらい資金ショートの危険があるとされています。
また介護事業者は営利性が低いとされるため、金融機関は融資を打診されても回収リスクを感じて及び腰になりやすく、融資を受けるのが難しい例が多いようです。
ファクタリングはそのようなことはなく、むしろ支払基金という優良な売掛先を相手にするものですから、ファクタリング業者は喜んで取引に応じます。
ファクタリングは担保も保証人も不要ですので、体力のない中小の事業者でも問題ありません。
■買取型ファクタリングの注意点

以上見てきた買取型ファクタリングについて、全体的な注意点を確認しましょう。
①不良債権は対象外
買取型ファクタリングで売却できるのは、売掛金の支払日が到来する前の債権だけです。
診療報酬、調剤報酬、介護報酬のファクタリングでは問題になることはありませんが、一般商社間の売掛金を対象にする二社間・三社間ファクタリングにおいては、売掛金の支払日が到来したのにその支払いを受けられない、いわゆる不良債権はファクタリングで取り扱うことができません。
ファクタリングは売掛債権の早期現金化を実現させるもので、支払日が過ぎてしまったものは買い取ることができないので注意してください。
②債権の全額を対象にできない可能性がある
ファクタリング業者に売掛債権の売却を打診するとき、ケースによっては債権の全額を取引の対象にしてもらえない可能性があります。
例えば100万円の債権を全額現金化したい場合でも、そのうち90万円分しか買取対象にできないということもあるかもしれません。
ファクタリング業者側から見てリスク管理の必要性がある場合に買取対象を制限することがあるので、債権譲渡を考える側が必要金額を満たせない可能性があります。
■保証型ファクタリング
これまで見てきたのは売掛債権を譲渡して現金に換える「買取型」のファクタリングです。
ここで別タイプの保証型のファクタリングについてお伝えします。
このタイプは売掛債権を譲渡するのではなく、売掛先が約束通りに支払いをしなかった場合に備えて保証を取り付けるものです。
つまり売掛先が約束通りに支払いをしなかった場合に、ファクタリング業者から代わりに支払いを受けられるという仕組みです。
利用には一定の保証料の支払いが必要で、これにより売掛先の未払いリスクに備えることができます。
この保証型のファクタリングは資金調達として利用できるのもではなく、需要があまりないので弊社では取り扱いがありません。
支払いリスクを感じる取引先とはそもそもの付き合いをしない方が安全ですし、保証型ファクタリングによらないリスク管理も可能なので、需要は多くないのが実情です。
保証型ファクタリングを利用する場合の注意点としては以下が挙げられます。
①保証の対象を明確にすること
保証の対象が単なる支払いの遅延(債務不履行)も対象にするのか、それとも倒産などの事態にならないと対象にならないのかなど、保証の対象を明確にしておかないと後でトラブルになる可能性があります。
②支払までに時間を要すこと
売掛先の支払い遅延や倒産などの事情をファクタリング業者が調査し、実際に代替の支払が行われるまでには一定の期間を要します。
買取型ファクタリングのように迅速に資金確保ができるわけではないので留意しましょう。
■まとめ

この回ではファクタリングの種類を少し広い視点からとらえ、買取型と保証型のファクタリングについて仕組みや注意点などを見てきました。
保証型ファクタリングについては事業資金の調達には利用できないので知識として簡単に押さえておくだけで結構ですが、資金調達に用いられる買取型は色々と種類があるのでぜひ押さえておいてください。
弊社では買取型ファクタリングは全ての種類の取り扱いがあり、売掛債権があれば業種問わずご利用頂けます。
弊社の特徴として、取引における手続きは全てWEB上で完結できる仕組みを整えておりますので、遠方の方でもPC上で取引を完結させることができます。
他社さんのように面談のために出向くなどの手間は一切要りませんので、どうぞお気軽にご利用くださいませ。