2023年2月6日
会社経営
法人利益を残したい!効果的な節税対策9つをご紹介します。
会社経営における利益の確保は経営者としての至上命題となりますが、その利益に税金がかけられてしまうのはもどかしく感じますね。
しかしその税金が私たちの国を支えてくれているのですから、日本で頑張る全ての経営者に賛辞を送りたいところです。
ただ、せっかく手にした利益を少しでも残したいなら、合法的な節税は積極的にすべきです。
本章ではできるだけ法人利益を残すための効果的な節税対策を紹介していきますので、ぜひ参考になさってください。
■役員報酬を見直す

会社役員の報酬については、一定の条件下で損金算入が認められています。
役員に適度な報酬を支払うことで節税作用を生みますが、報酬額については調整が必要です。
あまり高額過ぎると個人の所得税の負担が上がってしまい、報酬を払った意味が薄れてしまいます。
高すぎず低すぎない、丁度良い金額を導く必要があるので、個別のケースで税理士と相談して適切な金額を計算してください。
この方法を検討する際の注意点として、役員報酬の変更は年度の開始から3ヶ月以内でなければできないので、タイミングも見計らって調整する必要があります。
■出張手当を支給する

出張にかかる費用を実費精算にしている企業も多いと思いますが、出張手当を支給することで会社、従業員双方に恩恵があります。
実費精算の場合は実際にかかった分しか経費計上ができませんが、出張手当の場合は決まった金額を設定でき、これを全額経費に計上することができます。
旅費にかかる規定を作る必要があり、あまり不相応な金額を設定すると税務署に指摘されるので注意が必要ですが、ある程度は金額を自由に調整できるので税理士と相談しながら有利になりそうな金額設定を検討してください。
そして出張手当を受け取る側の社員は所得税の対象にならないので、どちらにとっても恩恵があります。
■未払い費用の経費計上
未払い費用とは、今期内に発生した費用のうち支払いが来期になるものをいいます。
未払い経費はしっかり考慮すればかなり大きな金額になるので、これを経費に計上することで大きな節税になります。
例えば社員に支払う給与や社会保険料なども未払い費用に計上できるので、従業員の数が多い会社は節税作用が大きくなります。
また決算賞与も同じように未払い費用に計上できます。
ただし、役員に支払う役員賞与や役員報酬については未払い費用の対象とならないので注意が必要です。
賃貸オフィスを使用している場合はテナント家賃も未払い費用の対象になるのでチェックしましょう。
■法人の社用車として登録する

自家用車を法人の社用車として登録すると必要な経費を会社の経費として扱うことができます。
ガソリン代や駐車場代、高速代などを経費に計上できるのでお得です。
ただし自動車保険については注意が必要で、保険のプランが変更されて掛け金が上がることもあります。
検討する場合は保険料の変化についても事前にチェックしておきましょう。
新規に車の購入を考えている場合は最初から社用車として購入することを検討しましょう。
そうすれば購入費用についても経費計上が可能です。
また購入ではなくリース契約も検討してみます。
リース代は経費にできるので、購入して運用した場合とリースにした場合を比較して、トータルでお得になるのはどちらか計算してみましょう。
■社宅を用意する

役員や社員に社宅を用意して家賃の一部を会社が負担すると節税につながります。
一般的な社宅を超えるような華美なものは税金逃れと判断されてしまうので注意が必要ですが、妥当な範囲であれば最大半額程度の家賃を会社が負担し経費にすることが許されます。
社員の社宅については住宅手当として支給すると、その分は個人の所得税の対象から外れるので手取り額が増え、社員個人の可処分所得の向上につながります。
■在庫処分を検討する

不良在庫を抱えると保管コストがかかるだけで利益の圧迫につながります。
こうした在庫は税務処理上で認められた損失計上を行うことが可能です。
例えば特価セールなどで帳簿価格よりも安い金額で売ると「売却損」が生じるので、これを経費計上することができます。
社員価格で従業員に購入させる場合はあまりに安い金額だと税務署につつかれる可能性があるので、金額設定は税理士に確認を取ると安心です。
頑張っても売れそうにない商品は廃棄すると管理コストから解放されます。
廃棄した商品は100%換算で「廃棄損」として計上できるので節税的には大きな作用になります。
廃棄するのがもったいない商品は、売れ残ってしまったことにより価値が下落した分を評価損として経費計上することも可能です。
ただ評価損については企業の自由判断に任せてしまうといくらでも節税できてしまうので、税務署の方も特に目を光らせる項目です。
価値が減少したことを説明できる資料を用意しなければならないので、写真を撮るなどして証拠を用意しておきましょう。
売却損や廃棄損についても税務署にチェックされた時に説明資料が必要ですので、値引きして販売したことの証明として広告を保存しておいたり、廃棄した際に業者と結んだ契約書を保存しておく、廃棄証明書の発行を依頼するなどの工夫が必要です。
■貸倒引当金を計上する
多くの企業で掛け取引を実施していると思いますが、取引先が倒産するなどした場合売掛金の回収が困難になります。
そうした事態に備えて、企業には一定の貸倒引当金を経費計上することが認められています。
認められる金額は業種によって異なり、法定繰入率という指標に基づいて計算することになるので税理士に確認してください。
■短期前払費用の計上
テナント家賃やサーバー代、機器類の定期メンテナンス代や各種の保険料などで、まだ受けていないサービスにかかる費用を前払いすると短期前払費用として経費計上することができ、節税につながります。
これまで月額費用として月払いだったものを年払いに変更することで、かなりまとまった額の費用を計上することができます。
■共済への加入

中小企業向けの各種共催に加入すると、掛け金を経費計上することができます。
例えば中小企業退職金共済は中小企業が従業員の退職金を確保できるようにする制度で、この掛け金を会社の経費として計上できます。
経営者や役員の退職金を確保するには小規模企業共済を利用でき、この掛け金も経費計上できます。
■まとめ

本章では法人経営において企業利益を少しでも残すための節税方法について見てきました。
節税につながる方法は数多くあるのでここでは全部は見きれませんが、効果が高いと思われるものをまとめて見てきましたので、ぜひ参考になさってください。
実際に実施する際には必ず税理士に相談して、税務署に注文を付けられることが無いように配慮しながら進めるようにしてください。
顧問税理士がいればすぐに相談できますが、いない場合でも最近は節税相談のスポット依頼ができる税理士も増えています。
こうしたサービスも活用して有効な節税対策を行っていきましょう。