2022年10月10日
会社経営
社長の「右腕」とはどんな人達?育成のポイントを解説!
「彼は〇社の社長の右腕として有名だ」などと評される人がいますが、あなたは自分の会社に右腕と呼べる人材がいるでしょうか?
本章では社長の右腕と呼べるのはどんな人たちなのか、またそのような人材の見つけ方、育て方について探っていきたいと思います。
人によって「右腕」のイメージや求める人物像は若干違ってくると思いますので、ここでは一つの考え方として参考にして頂ければ幸いです。
■「右腕」のイメージとは?
社長の右腕の全体的なイメージとしては、優秀だけれど社長にはかなわない程度の人材、という見方が大勢かもしれません。
「右腕」はあくまで経営者にはなれないけれど、社長の言うことを確実に遂行できる能力のある人材を指すと捉えればいいでしょう。
経営者は会社を経営するにあたり、融資を受ける際に個人で連帯保証人になったり、担保に自宅を提供するなどして相当のリスクを背負っています。
ですから仕事=人生となり、仕事に自分の人生を賭けています。
このリスクを取れるか、取れないかが経営者になれるかどうかの違いです。
「右腕」はこうしたリスクは取ることができませんが、社長以外で現場を仕切れる実力があります。

■社長がしたいことだけに専念させることができる
社長目線で考えると、企業運営には細々とした面倒な事案が山積するので、そうしたものは全て部下に任せたいと思う人が大半です。
経営判断など高度な判断力、決定力を求められることに注力したいと社長が考える場合、それを実現させてあげられるかどうか、という考え方もできます。
社長は自分がやりたいことに専念し、それ以外のことを全て任せられる人物がいれば、「こいつは私の右腕なんだよ」と自慢したくなることでしょう。

■事業戦略の相談ができる
経営者が孤独だと言われるのは、従業員となる被雇用者の多くが経営者と同じ目線にはなれないからです。
社長が何かを相談したいとしても、仕事に対する考え方や目線が違っている相手では相談になりません。
事業戦略上の転換を考えるなどして、新規の業務開拓に乗り出そうと社長が考えても、余計な仕事が増えることを嫌う従業員は「〇〇だからできません」などと言い訳を考えて否定的な答えを返すでしょう。
同じ給料であれば仕事は少ない方が良いわけで、「余計な手間を増やしてくれるな」というのが従業員の正直なところなのです。
同じ雇われ人でも「右腕」であれば仕事をすることに喜びを感じているので積極性がありますから、「□□の方法を取れば実現できるかも」のように可能性を探る思考ができます。

■社内の事情に精通している
社長は被雇用者を束ねる立場ですので普段は従業員とは別行動をとります。
そのため日常的に現場の隅々まで目を通すことが難しくなることもあるでしょう。
従業員同士の個別の人間関係までは知らないことが多いですが、右腕となれる人物は普段から現場をしきっているので、人間関係や現場の雰囲気を熟知しています。
そうした知識や情報を元にして、社長に対して必要な進言をすることができます。

■人望がある
社長からの信頼があるだけでは右腕は務まりません。
従業員からの信頼もなければ現場を仕切ることはできないでしょう。
「右腕」に必要なのは特定の業務に対するスペシャリスト的な遂行能力というよりは、多くの場合、他の従業員を束ねる力、部署を超えて統率できるマネジメントの力であることが多いです。

■右腕の見つけ方・育て方とは?
社長の右腕となれるような優秀な人材はそうはいません。
そのような逸材がいれば相当ラッキーですから一度探ってみてもよいでしょう。
もし今現在目ぼしい人物がいれば、一般の従業員以上に仕事に対する積極性がみられるかどうかチェックしてみましょう。
直接本人に対して「自分の仕事が増えることに対してどう思うか、楽しいと感じられるか」聞いてみましょう。
その場ではイエスと答えるかもしれませんが、実際に土日に連絡を取るなどして相手の反応を確かめ「休日に連絡を受けることについてどう思うか」聞いてみます。
ただし休日の連絡は相手の時間を奪うことですから、本当に必要な場面だけに限りましょう。
対応の受け答えで心底からの肯定的な反応が見えればいいですが、そうでなければその人物の開花は今すぐは期待できないかもしれません。
それでも、うまく育てれば才能の開花が期待できます。
今現在目ぼしい人材がいなくても、以下のことを試して従業員を右腕に育てる訓練をすることができます。

①リーダー研修を施す
リーダー資質を育てる訓練は右腕となる訓練にも通じるので、一般的なリーダー研修は右腕を育てる意味でも効果があります。
②将来の経営者候補として意識付けをする
目ぼしい人材には目をかけてやっていることを日ごろから伝えておくようにします。
これだけで本人の意識の持ち方が大分変ります。
③昇格させる
何の報酬もないとやる気は育ちにくいので、めぼしい人材がいてある程度訓練が整い、本人の意識付けも変わってきたら昇格人事を取ることも一手です。
上級管理職として現場の統率を期待できる人材がいれば検討しましょう。
本人の意識が高くなってきたところで役員への登用を考えるのも良いでしょう。
④権限を与え結果を共有する
現場マネジメントに関する一定の権限を付与し、仕事の結果を社長と共有できるようにします。
社長の目をかけながら、その人物の能力を引き延ばしてあげられるように手をかけましょう。

■まとめ
本章では社長の右腕と呼べる人たちはどのような存在なのか、また右腕となれる人材の見つけ方や育て方について見てきました。
「右腕」は社長の忠実な部下であると同時に社長には難しい現場の把握をこなし、統率できる能力を持つ人物と捉えることができます。
また事業戦略上の相談にも対応できるような経営目線を持つこともでき、頼れる相談相手となってくれるでしょう。
右腕となれるような人材は希少で簡単に見つけることはできませんが、研修を施したり社長自らが意識付けをしていくなどの工夫をして発掘・育成できるようにチャレンジしてみましょう。