2022年9月9日
ファクタリング
ファクタリングとは?仕組み・注意点・種類についてわかりやすく解説!
資金調達の手段は複数あり、その時々の状況を考えて最も有利な方法を選択できるようにしたいものです。
経営者の方ならお分かりかと思いますが、日常の資金需要は迅速性が求められることもあり、
「今週末まで」、「明日まで」といった切羽詰まった事情がいきなり訪れることもめずらしくありません。
そのようなシーンで活躍するのが「ファクタリング」という資金調達法です。
融資や借り入れとは全く異なる概念で、迅速性、確実性に優れたファクタリングは多くの事業者の方々を救う手段となります。
この回ではファクタリングとはどういうものか、基本的な仕組みや種類、注意点などについて解説していきますので、ぜひ参考になさってください。

■ファクタリングとは?
ファクタリングは借り入れと全く異なるとお話ししましたが、
これは単なる言葉のあやではありません。
資金調達の手段はそのほとんどが借り入れや融資、つまり借金です。
ファクタリングはお金を借りるものではなく、法律上は債権の譲渡取引にあたります。
掛け取引をされている企業では取引の都度精算をせず、一定の期日にまとめて精算を行います。
その期日までは代金を回収できませんが、その代わりに将来支払いを受けられる権利「売掛債権」を取得します。
この債権は財産的価値を持つものですので、譲渡して現金化することができます。
弊社のようなファクタリング業者は売掛債権を買い取り、その買取金を交付致します。
売掛債権を譲渡した企業は買取金を受け取り、これを事業資金として活用するわけです。
なおファクタリングの買取金は事業性融資と違って使い道に制限がかかるようなことはありません。
運転資金や設備資金、急な出費への対応などお好きな用途にお使いいただけます。
個人事業主の方はプライベートな使途に用いても全く問題ございません。
借金でないことから、ファクタリングには「返済」や「利息」といった概念もありません。
なおファクタリングの対象となるのは支払期日が到来する前の売掛債権のみであり、支払期日が過ぎてしまった債権を買い取ることはできません。
この意味で、ファクタリングは「売掛金の早期現金化」であるところに着目して頂ければと思います。

■ファクタリングの種類と仕組み
ではファクタリングの仕組みや種類について見ていきたいと思います。
ファクタリングには二社間取引、三社間取引という二つの種類があり、それぞれ利点が異なります。
利用各社の事情に応じてより有利なファクタリングを選択できるよう、特徴を押さえていきましょう。

<二社間ファクタリング>
このタイプは債権を譲渡する企業とファクタリング業者の二者だけが取引当事者となり、売掛先企業は取引に関与しません。
売掛先にファクタリングの利用を知らせる必要がないので、信用面に影響がでる心配が要りません。
債権譲渡企業はファクタリング業者と債権の譲渡取引を行い、この時点で売掛金の権利はファクタリング業者に移ります。
売掛債権の買取金は早ければ当日中に支払われるので、迅速性や秘密性を優先する場合に選択肢になります。
ただしファクタリング業者に支払う手数料の面では下の三社間取引より高めとなり、概ね10%~30%程度の手数料となることが多いでしょう。
二社間取引の手順をまとめると以下のようになります。
①債権譲渡企業がファクタリング業者に債権を譲渡
②ファクタリング業者が代金を支払う
③売掛金は通常通り債権を譲渡した企業に支払われる
④上記③の資金をファクタリング業者に移転する

<三社間ファクタリング>
こちらのタイプは売掛先の企業にも取引当事者になってもらいます。
売掛先企業の合意を取って進める方式で、ファクタリング業者にとって売掛金の回収が確実視されるため手数料が割安になります。
個別のケースにもよりますが、手数料は概ね2%~10%の範囲となるでしょう。
売掛先の合意を取る必要性から、当然ファクタリングの事実は知られますので、
場合によっては信用面で影響が出る可能性があります。三社間取引の手順をまとめると以下のようになります。
①債権譲渡企業、売掛先企業、ファクタリング業者の三社で契約を締結
②ファクタリング業者が債権譲渡企業に買い取り金を交付する
③売掛金は期日にファクタリング業者に直接支払われる
三社間取引では売掛金が債権譲渡企業を経由せず、直接ファクタリング業者に支払われるのが特徴です。
そのため債権譲渡企業は資金の保管や移送にリスクを取る必要がありません。

<診療報酬等ファクタリング>
上記の基本的な種類の他、弊社では診療報酬等債権の買い取りも行っているので、こちらも見ていきます。
病院やクリニック等における診療報酬や、調剤薬局における調剤報酬、介護事業者における介護報酬は、
それぞれ支払基金から報酬を受け取ることになりますが、これにはおよそ二か月程度の期間を要します。
これら報酬に係る債権も弊社では買取対象としており、ファクタリングにより早期現金化が可能です。
診療報酬等債権ファクタリングは基本的に上記の三社間取引の形で進めますので、
支払基金の同意を取り手続きを進めることになります。

■ファクタリングのメリットは?
ここではファクタリングのメリットをまとめて見まょう。
①迅速な資金調達が可能
二社間取引の場合、債権の買取金は最短当日中に交付されます。
三社間取引でも数日以内に交付が可能です。
②赤字があっても利用できる
ファクタリングで重視されるのは売掛先企業の信用なので、債権を譲渡する企業が赤字だったり税金の滞納があってもファクタリングの利用は可能です。
借金である融資は赤字があるだけで敬遠されますし、税金の滞納があれば確実に融資を断られるでしょう。
③ノンリコース取引が可能
ノンリコースとは売掛先が倒産するなどして債権の回収ができなくなった場合でも、債権譲渡企業がその責任を負わないことをいいます。
債権回収リスクはファクタリング業者が負うことになるので、
リスクを気にせず安心して利用することができます。
④保証人や担保が不要
ファクタリングは借金ではないので保証人や担保の用意は不要です。
担保資源に余力がない、保証人を頼める人がいない場合でも資金調達ができます。
⑤信用情報に影響が出ない
借金ではないことから、いわゆる信用情報に影響が出ません。
もし現状で信用状態に問題があったとしてもファクタリングの利用は可能です。
⑥財務諸表上の見栄えが良くなる
融資は借金ですから財務諸表上で負債が増加し、見た目が悪くなります。
ファクタリングは負債が増加することはなく、むしろオフバランス化により見た目が改善します。
⑦二社間取引では取引先に知られない
売掛先に資金難を知られると信用面で悪影響が出る懸念があっても、二社間取引ならば相手に知られることなく資金調達できます。
業界内で資金難のうわさが広まることも避けられるので今後の取引に影響しません。

■ファクタリングの注意点
ファクタリング利用の際には心得ておくべき点もいくつかあるので確認しておきます。
①手数料の負担がある
上でも述べましたがファクタリングは借金ではないので金利や利息がありませんが手数料がかかります。
これにより売掛債権の現金化には一定のロスが出ることについては承知が必要です。
②融資と混同しないこと
利用者側は融資や借り入れとファクタリングの違いを理解したうえで利用することが求められます。
貸金業者の中には「売掛債権担保融資」といって売掛債権を担保として扱い、これに対して金を貸し付けるタイプの融資商品を取り扱うところもあります。
これはファクタリングではなく借金ですので当然返済が必要であり、信用情報に影響が出ることもあります。
融資とファクタリングは全く違うものだということをしっかり理解しておきましょう。
③売掛金の使い込みに注意
二社間取引の形態をとる場合、契約により売掛金の権利は先にファクタリング業者に移転します。
その後、期日には売掛先から通常通り債権譲渡企業に支払いが行われますので、これをファクタリング業者に移転する必要があります。
もしその資金を使い込んでしまうとファクタリング業者のお金を横領したことになり、刑事事件化してしまうこともあるので注意が必要です。

■まとめ
本章ではファクタリングがどういうものか、種類や基本的な仕組み、注意点などを見てきました。
借り入れとは異なる資金調達法であり、返済が不要、保証人や担保が不要などメリットも多いため多くの事業者の方が利用しています。
弊社のファクタリングは業種問わず、全国どこからでもご利用いただけますので、資金需要が発生した際にぜひご活用ください。